[Flyability事例]ELIOS 3での点検により、ボイラー緊急停止時の作業時間を300時間削減

2026/4/1

オーストラリアの石炭火力発電所で発生した緊急停止の際、ドローンによるボイラーの点検を依頼されたDrone Elevation社は、ELIOS 3を使用することで狭小空間での点検時間を300時間以上削減しました。

メリットの概要

迅速性

ELIOS 3を使用して石炭バーナーを点検したことで、狭小空間における300時間以上の作業時間削減が実現されました。

安全性

狭小空間での作業を排除することで、このような環境に特有のリスクを減らし、点検作業の安全性を向上させました。

リソースの最適化

ELIOS 3を採用し遠隔操作で点検をすることにより、メンテナンス作業のために撤去する必要がある石炭燃焼バーナーは25基のうち9基のみであることが判明。従来は初期点検の手段が他に存在しなかったため、25基全てを撤去していました。

コスト削減

ELIOS 3を利用することで、点検作業や狭小空間での作業に要する時間とコストが削減されました。狭小空間での安全確認等に必要な費用は、作業1回あたり最大5,000オーストラリアドル(約55万円)に上る場合がありましたが、ELIOS 3であれば作業員が進入しないため、この費用が一切発生しません。

発電所における緊急停止は、すべての稼働停止を意味します。計画された停止時でさえ、重要な点検作業を完了させつつ、可能な限り迅速に再稼働させるという微妙なバランスを管理することは容易ではありませんが、計画外の停止においては問題はさらに深刻化します。

オーストラリアに拠点を置くドローンサービスプロバイダー、Drone Elevation社は、電力会社と連携し、遠隔ソリューションを用いた点検を実施しています。今回、国有の石炭火力発電所が設備故障により停止したことを受け、修理作業進行中に定期点検の実施を求める依頼が同社に届いたのです。計画外の停止期間を活用し、このダウンタイム期間中に敷地内の他の設備の状態評価を行いたいという発電所の現場責任者の意向が反映された依頼でした。Drone Elevation社は迷いなくELIOS 3を携え、点検業務を開始したのです。

発電所設備の点検における課題

この石炭火力発電所は、タービンと発電機を駆動するために996トンの蒸気を発生させ、340MW(メガワット)の電力を生産しています。緊急停止時、Drone Elevation社が点検を依頼されたボイラーは発電所運営の中核をなす部分で、その熱は水を蒸気に変え、タービンを回転させるために利用されます。また1,700℃に達する炉内には、温度上昇を補助する25基のバーナーが設置されています。

従来型の炉内点検には膨大な労力と時間を要していました。Coal Burner社によれば、設備の撤去に24時間を要し、5名ずつ2組の作業員が12時間交代で作業を行い、炉内全バーナーの完全点検には最大600時間の作業時間を要します。当現場では、セラミックエッジタイル(燃焼を補助し、放出されるノックスガスを許容範囲内に抑える特殊タイル)の健全性確認が目的とされ、ドローンを活用することで、この確認作業は数分以内に容易かつ安全に行うことが可能となりました。これらの点検中に収集されたその他の参考情報には、スワラーの汚れ状況、オイルライターのパルス点火装置における接地棒の長さ、各石炭バーナーの耐火物の状態などが含まれます。各バーナーは目視評価に加え、超音波測定(UT)を実施し、その結果をデータベースに記録します。その後、目視と測定結果に基づく評価を行い、部品交換の必要性や、元の設置位置への取り付けまたは保守作業完了の可否を判断します。これには特殊な吊り上げ装置や足場が必要であり、狭小空間での1日作業を実施する度に安全評価の実施と必要な許可の取得が求められ、コストも最大5,000オーストラリアドルに及びます。

Drone Elevation社がバーナーの遠隔点検による手法を提案することで、実際に保守作業と撤去が必要なバーナーと、次回の点検時まで撤去が不要なバーナーを判別することができ、これにより、数百時間もの作業時間と数千オーストラリアドルの節約が見込まれるため、この遠隔点検にELIOS 3を採用する運びとなりました。

ELIOS 3は、狭小空間での遠隔作業を可能にし、今回の点検作業にも最適

石炭バーナー点検におけるELIOS 3の優位性

Drone Elevation社は、本点検にELIOS 3が適している主な理由として、以下を挙げています。

  1. アクセス性 - 石炭火力発電所の炉内には多くの粉塵や付着物があり、狭小空間であることも相まって立入が厳しく制限されてしまいます。遠隔での視覚検査および超音波検査をELIOS 3で実施することで、検査員による立ち入りのリスクなく詳細な点検を実現します。
  2. データ収集 - ELIOS 3には数種類のペイロードがあり、近接点検用の4Kカメラ、レーザースキャナー、超音波厚さ測定ペイロードなどが含まれます。これらにより、通常は複数の機器を必要とするデータ収集をELIOS 3のみで実現します。
  3. 迅速性 - ELIOS 3の飛行操作の容易さとデータ収集の品質により、従来の方法では数日を要した点検が、わずか数分~数時間で実現します。この高い作業効率は、発電所内設備点検のような、時間に限りがある多くのプロジェクトにおいて極めて重要です。

衝突耐性設計と専用ソフトウェアを備えたELIOS 3は、Drone Elevation社にとって課題解決のための包括的ソリューションとなり、その任務に貢献しました。本機は世界でもトップクラスの点検ソリューションの一つであり、新たなペイロードの追加やソフトウェア更新により、常に進化を続けています。

設備を間近で確認:ELIOS 3はバーナーの周囲を飛行し、損傷箇所を特定することが可能です

ELIOS 3によるバーナーの点検

Drone Elevation社によると、稼働中のボイラーが停止され、ELIOS 3 を投入できる程度に十分に冷却されるまで約24時間を要すると分析されていましたが、今回の事例では、プラントが停止中であったため、直ちにELIOS 3によるデータ収集を開始することができました。

ELIOS 3 の4K映像伝送と特殊照明を駆使し、25基のバーナーそれぞれについて目視検査を実施したところ、堆積するクリンカが特定され、欠陥の有無を確認。この映像データがプラント管理者に共有され、25基あるバーナーのうち、追加点検やメンテナンスのために9基のみを撤去する必要があるとの判断に至りました。これにより、残りの16基分のメンテナンスに必要と想定された24時間という作業時間を削減することができたのです。

ELIOS 3により欠陥を迅速に特定し、バーナーの撤去に必要な作業は必要最低限に抑えられます。

さらに、ELIOS 3からの映像伝送により、プラント管理者は狭小空間内の状況を把握することができました。これにより、その空間への進入に必要な予防措置のレベルを判断し、狭小空間への進入に先がけ保守チームに事前警告を行うことが可能となりました。

石炭火力発電所における定期的なドローン点検の基盤整備

Drone Elevation社が提供した成果は発電所管理チームにとって非常に有益であり、384時間分の作業時間が節約されました。これにより不要なコストが削減され、稼働停止期間中に他の重要な業務にリソースを振り向けることが可能となりました。Drone Elevation社とELIOS 3の活用によって、安全性の向上、リソース配分の最適化、そして作業の所要時間の最小化が実現されたのです。

今後、Drone Elevation社は発電所においてこのようなプロジェクトをさらに推進していきます。屋内・屋外を問わずドローン点検における専門性の高い同社の知識は、産業施設が安全性、効率性、コスト削減に関する目標を達成する一助となっています。

■出典:Flyability社,
Drone Inspection Cuts 300 Hours of Work During Emergency Shutdown
https://www.flyability.com/casestudies/drone-inspection-emergency-powerplant-shutdown

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