「BEPライン」が、送電線点検現場の安全確保、作業効率化、点検品質向上を実現
2025/6/18
株式会社和田電業社様
株式会社和田電業社では、送電線ドローン点検ソリューション「BEPライン※1」の導入により、送電事業現場での点検作業員の安全を確保しながら、作業時間の短縮、点検品質の向上、省人化による業務効率化を実現しました。さらに、危険な場所で緻密な作業を行う点検作業員の精神的な負担も軽減されています。


送電線点検現場でのドローンの活用
和田電業社は、創業以来、電力会社の送電線メンテナンス等で、確かな技術と現場力でお客様からの信頼を得てきました。技術開発にも積極的に取り組み、電力・通信工事の施工関連装置の開発も行っています。その中で、いち早くドローンに着目し、2020年頃から送電事業の現場でドローンを活用した点検作業を開始しました。
「BEPライン」導入の背景/送電線点検作業における課題

「BEPライン」導入の契機は、電力会社から、送電線建替え時における送電線の点検業務を受注したことによります。
送電線鉄塔の建替において、送電線と鉄塔を撤去する前に、人が送電線に「宙乗り」※2して、カウンターウェイト※3を取り外す作業が発生します。送電線に人が「宙乗り」しても問題ない状況なのかを事前に点検する必要がありますが、非常に危険を伴う作業になるため、慎重な対応が求められます。
「BEPライン」導入による課題解決

今まで、スコープによる点検作業※4や、ドローンを手動で送電線に沿って飛行していましたが、通常のドローンでは、適切な離隔距離を保ちながら飛行させることは非常に難しかったため、操縦者1名、安全運航管理者1名、モニター確認者1名の3名体制で点検作業を実施していました。
上記課題に対し、「BEPライン」を導入した結果、ドローンが送電線に沿って自動追従飛行し、点検作業に必要なデータを撮影・取得することがきるようになり、点検作業員の安全を確保しながら、作業時間の短縮、点検品質の向上、省人化による業務効率化を実現できたといいます。
具体的には、たわみや揺れのある送電線に沿って、ドローンがワンクリックで自動追従飛行できるようになり、点検作業の体制が3名から2名に削減されました。点検作業にかかる所要時間は、「BEPライン」導入前は、6径間※5の点検作業において、1径間の点検に3名体制で3時間を要していましたが、導入後は2名体制で1.5時間に短縮されました。
「点検作業は、非常に神経を使うところもあるのですが、2名体制となったことで、もう1名は別な作業に取り掛かることもでき、チーム全体の業務効率化が可能になりました。また、点検現場では、リアルタイムで映像を確認しながら作業を進めることができ、録画した映像を後で確認することもできるため、電力会社への報告書作成に役立っています。」
(和田電業社 長田光広 氏)
「BEPライン」の導入に関して/今後への期待

「BEPライン」は、非常に便利です。ドローンの操縦が初めてでも操作がわかりやすく、すぐに使いこなすことができるので、現場の体制にも支障をきたすことなく導入することができました。導入時には、詳細な説明があり、質問にも迅速に対応いただけましたので、スムーズに使用できました。
今の「BEPライン」の機能に非常に満足しているので、今後も継続して利用したいと考えています。弊社は、代表取締役自ら技術開発を行い、新しい技術の導入に取り組んでおり、今後もドローン業界の新技術に大きな期待を寄せています。(長田 氏)
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※BEPライン
たわみや揺れのある送電線に沿ってドローンがワンクリックで自動追従飛行し、点検に必要な各種データを撮影・取得することで点検業務を自動化・効率化・安全化します。従来の高倍率スコープやヘリコプターなどを使う従来の目視確認と比べ、点検品質の向上、点検員の安全確保、作業の効率化、コスト低減が可能となります。
さらに、将来的な点検員不足や、設備の高経年化による点検対象増加への対応など柔軟な点検体制の構築と、データ利活用による施設の高度な運用・管理、予兆保全、DX 化を推進します。
「BEPライン」は、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®」をベースに、東京電力ホールディングス株式会社、および株式会社テプコシステムズと共同開発し、東京電力管内の送電線の点検業務に支社および事務所に導入、実用化されています。
https://www.blue-i.co.jp/solution/inspection/line_01.html
※2 宙乗り
送電線の点検で、電線上を渡り歩く作業。電線に跨り、点検や付属品の取り付け・取り外しなどの作業を行う際に用いられる技術。
※3 カウンターウェイト
風による電線の揺れや着雪を防止するために取り付けられている装置
※4 スコープによる点検作業
従来、送電線の点検作業は主に高倍率スコープやヘリコプターなどを用いて目視で行っていましたが、目視による点検作業は、膨大な作業時間がかかること、作業員の高い技能に支えられていることから将来的な作業員の不足、および設備の高経年化による点検数増加への対応などが課題になっていました。
※5 径間
電柱同士の間隔
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COMPANY PROFILE
株式会社和田電業社
本社所在地 | 山梨県大月市猿橋町伊良原133 |
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設立年 | 1960年 |
従業員数 | 93名 |
URL | https://wadaden.net/ |
事業内容 | 送電事業 |
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ブルーイノベーション株式会社
TEL.03-6801-8781/FAX.03-6801-8782
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