1台1役だけじゃない、ドローンやロボットの「業務分担」とは?

2023/3/9

那須 隆志 

ブルーイノベーションが考えているドローンやロボットの進化と、それに伴う皆さまの生活や仕事の変化に対して、私たちは独自の基幹システムであるBlue Earth Platform(BEP)を通してどのように貢献したいと考えているのか、こちらの記事(ドローンやロボットの究極進化のためにウラ側で進んでいる開発とは)で、そのウラ側を少しだけお伝えしました。

前回は、「それぞれの得意領域で進化したロボット同士が、ネットワークを介して連携することで、人より優れた業務をこなせるようになる」とお伝えしました。お掃除ならば清掃ロボットが、物を運ぶならば運搬に最適化されたロボットが連携しあうことで、人よりも効率的に業務を遂行できるというものです。

今回は、ドローンやロボットの発展に伴い、現在、人間が行っている業務がどのようにドローンやロボットに置き換わっていくのか?についてお伝えします。

 

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ブルーイノベーションに寄せられるドローンやロボットによる業務の自動化・効率化のご依頼は、大別すると「警備」「点検」「調査」「清掃」「物流」が多くを占めます。物流倉庫に限定すると「荷物の棚卸」などもあります。

通常では、これらの業務は専門の担当者(もしくは会社)に任せられがちですが、ロボットの場合、どのように役割分担するのが良いでしょうか?「清掃」や「物流」はそれぞれに最適化されたロボットが担えばよいように感じますが、「警備」や「点検」は決められた経路を移動し、撮影ができるロボットであれば、1台で同時に両方の業務をこなせそうな気もします。さらに、経路が同じでよければ、お掃除ロボットが掃除をしながら警備用の映像を撮影する方法も考えられます。

このように、人間なら完全に分業でこなす業務でも、それらの業務に共通する行動や機能があれば、その共通機能を有した1台のロボットに兼務させることができそうです。

「建物内を見回る」業務の場合、警備の場合と点検の場合とでは、必要とされる専門知識や技能が異なるのではないでしょうか。警備に長けている人は不審者を見極めるのが得意で、点検に長けている人は設備の異常を察知する能力に優れていることもあるでしょう。
これに対してロボットの場合、それぞれの専門能力やAI解析などのデータをサーバー経由で共有することができます。お掃除が主業務であるお掃除ロボットも、搭載されているカメラで撮影した映像をサーバーに送り、警備用のAI解析を行うことで不審者チェックを同時に行うことが可能になるのです。

つまり、清掃や物流など物理的な業務はロボットのメカ的な構造に大きく依存しますが、センサーなどで何らかの情報を得る行為は、任意のロボットにセンサーを搭載すれば、メカの制約を受けず、取得した情報は複数のロボット間で共有できるデータになります。そのデータから何かを判断するのはAI解析などの役割です。人間に例えると、メカ的な構造は「体」であり、センサーは「五感」、AI解析は「脳」にあたりますが、人間は体と五感と脳を切り離すことはできないので、それぞれの業務により担当者が分かれる必要が出てきます。
一方で、ロボットであれば、部品の組み合わせやセンサー、サーバーなどを組み合わせることで、これまでの人間の業務分担に捉われることなく、ロボットに適した業務の分担を考えることができます。

※人は脳と体と五感を切り離せない

※ロボットは様々なAIと連携できる

人間の業務をロボットに代替させる場合、特定の業務と同時に、周囲にある別の業務にも目配りし、共通化できる行動や作業を整理することで、より最適な業務分担ができます。

ブルーイノベーションでは、ロボットと人間の業務分担の考え方の違いに着目し、ドローン・ロボットによる自動化・効率化を前提とした業務分析を行うことで、1台1役ではなく、オフィスや物流倉庫などの“場“全体で行われている業務に対して最適なロボットソリューションをご提案しています。
また、建物内のカメラや他のセンサーと連携させることで、ドローンやロボットをさらに最適に制御する技術の開発も進めています。

業務の自動化・効率化をお考えの方は、ぜひブルーイノベーションまでご相談ください。

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