ELIOS 3による発電所ボイラー内部点検
抜群の安定感で、点検時間をさらに短縮

2023/8/9

沖縄電力株式会社 様 ・ 株式会社沖縄エネテック様

沖縄電力が管轄する電力設備の調査・工事監理、環境調査業務を担う沖縄エネテックでは、2015年からドローンによる電力設備点検を開始し、多岐に渡る実績を積み重ねています。
中でも、点検作業中の熱中症や酸欠等の労働災害リスクや、ボイラー内部をはじめとした点検前スクリーニング調査の工数および費用の負担に対し、ELIOS 3を活用することで安全性の向上と大幅な点検工期短縮の可能性を確認できました。

ドローンによるボイラー内部点検

市販のドローンに球体ガードと紐を装着し動きを制御(出典)沖縄エネテック様

沖縄県では、地理的・地形的な制約や電力需要規模などから原子力発電や水力発電は採用しづらく、石油や石炭、LNGを用いた火力発電が県内電力需要を支えています。
沖縄エネテックでは、火力発電所の主要設備であるボイラー内部点検の1次スクリーニングにドローンをかねてより活用していました。そのドローンは屋外用の一般的な空撮用ドローンにサードパーティーの球体ガードを装着したもので、さらに球体ガードに紐をつけて動きを制御しながら、内部の状況把握を行っていました。
しかし、ボイラー内は暗くて狭い特殊な空間である上、GPS信号が届かず操縦は大変困難で撮影映像にガードが映り込むなどの課題がありました。

ELIOS 3の抜群の安定感で、90分で点検終了

そこで、沖縄エネテックでは、ボイラー内部の点検を、暗くて狭い空間での点検を得意とする屋内点検用球体ドローンELIOS シリーズの最新機種「ELIOS 3」で実施。
これまでのように作業員がボイラーの中に入ってドローンの位置を目視で把握しながらの飛行ではなく、ボイラー内に立ち入ることなく安全に目視点検が可能になりました。
さらにELIOS 3 は、最新のSLAM技術により、非GPS空間でも非常に安定した飛行が可能です。

【沖縄電力と沖縄エネテック ご担当者インタビュー】

―ELIOS 3での点検で、どのような成果がありましたか?
「抜群の安定感で安心して操作ができるため、調査する時間を格段に短縮することができました。」
(株式会社沖縄エネテック エネルギー開発部 環境グループリーダー 伊佐 真賢 氏)


―ELIOS 3を操作してみた感想はいかがでしたか?
「ボイラー炉内には入らず、炉外からリモコンでドローン操縦を行い点検実施できたため、ELIOS 3を利用することで安定性の高い点検ができることには驚きました。炉内に入ることへの危険(熱中症、酸欠、粉じん、落下物など)を回避できるため、安全面でも十分貢献できることがわかりました。従来であれば、高所まで足場を仮設してのボイラー内の目視点検が、ELIOS 3では約90分で完了し、点検工期短縮にもつながることが期待できます。また、初めてドローン操縦する人でも、ドローンをボイラー炉外から進入させ、対象物を撮影し、炉外に戻って来ることが出来たので、操作性がとても良いことがわかりました。球体ガードもあるため、安心できました。」
(沖縄電力株式会社 牧港火力発電所 保守グループ 主任 寺崎 清紀 氏)

ボイラー内に入るELIOS 3
ボイラー内のバーナーを点検するELIOS 3

リアルタイムに飛行空間を3D化、撮影位置も表示

「Inspector 4.3」によるボイラー内部の解析画像 (左:3D点群マップ 右:ELIOS 3飛行画像)

これまで屋内でのドローン点検は撮影位置の特定が困難だったため、異常箇所を修繕する際、人が目視で修繕場所を再確認する必要がありましたが、ELIOS 3ではLiDARによるリアルタイム3Dマッピングにより位置特定が可能です。

さらに、取得したデータは専用解析ソフト「Inspector」を通して3Dレポートとして出力され、施設の破損や異常箇所の位置を3Dマップ上で把握・共有できます。ELIOS 3の飛行映像から異常箇所があれば位置を特定し、さらにレポートとして記録もできるため、点検作業後に速やかに補修作業に着手できます。

「映像も大変きれいで、3次元的に空間の把握、飛行位置の把握ができる点に魅力を感じました。」(伊佐 氏)

様々な屋内設備への活用へ

ELIOS 3は今後、火力発電所のボイラーだけではなく、様々な屋内設備への点検に大いに展開できると評価をいただいています。

「今回のボイラー内部点検での成果を基に、当社各発電所の設備(ボイラー、煙突、タンク、海水導管、その他足場設置が必要な設備)の点検でドローンを活用していきます。 また、教育資料としても活用していきたいです。」(寺崎 氏) 
     
「今後は1次スクリーニングだけでなく、測量までの一連作業をドローンで行い、さらに効率化出来ることを期待しています。」(伊佐 氏)

COMPANY PROFILE

沖縄電力株式会社

本社所在地 沖縄県浦添市牧港五丁目2番1号
設立年 1972年5月15日
従業員数 1,532名(2022年3月31日現在)
URL https://www.okiden.co.jp/
事業内容

電気事業

株式会社沖縄エネテック

本社所在地 沖縄県浦添市牧港五丁目2番1号
設立年 1994年
従業員数 79名
URL http://www.o-enetech.co.jp/
事業内容

電力設備に係る調査・設計・各種コンサルタント業務

※BEPインスペクションとは?

複数のドローンやロボット、センサーなどデバイスを遠隔で制御・統合管理する独自開発のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP:ベップ)」を活用し、インフラ施設や工場・プラントなどの屋内外施設点検をドローンやロボットで行うソリューションです。「作業員の安全性向上」「点検コスト削減」「業務効率の向上」に加え、点検・施設情報の「デジタル化・DX化」を実現します。
>詳しくはこちらをご覧ください

※屋内点検用球体ドローン「ELIOSシリーズ」とは?

ELIOSシリーズは、BEPインスペクションにおいて主に屋内点検で使用するドローンです。Flyability 社(スイス)が開発し、非GNSS 環境下の屋内空間などの飛行特性に優れています。球体状のガードを備え、配管やボイラー、煙突といった人が入れない目視外の狭小空間や危険な場所の点検に適しており、プラントや発電所、下水道などを中心に250ヶ所(2023年3月末時点)を超える屋内施設での点検実績を有しています。

この事例に関するお問合せ・ご相談

ブルーイノベーション株式会社
TEL.03-6801-8781/FAX.03-6801-8782
【お問い合わせフォーム】
https://www.blue-i.co.jp/contact/project/

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